歯周病と糖尿病

糖尿病との関連についてのお話。
生活習慣病の代名詞のような糖尿病。
2007年の国民健康・栄養調査では、
日本人で糖尿病が強く疑われる人=約890万人
可能性を否定できない人=約1320万人
合わせると2,210万人いると推定されるそうです。
歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われており、実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて
歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという疫学調査が複数報告されています。
さらに最近では、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという、逆の関係も明らかになってきました。
つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっているとも考えられますが、
歯周病治療で糖尿病も改善することも分かってきています。
なぜ、歯周病になると糖尿病が悪化するのか?
歯周病菌は口の中にいる菌ですが、腫れた歯肉から容易に血管内に侵入し全身に回ります。
血管に入った細菌は体の力で死滅するものの、歯周病菌の死骸の持つ内毒素は死ぬことはなく残り、
脂肪組織や肝臓からのTNF-αの産生を強力に推し進め、血糖値に悪影響を及ぼします。
TNF-αは、血液中の糖分の取り込みを抑える働きもあるため、
血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを邪魔してしまいます。
抗菌薬を用いて歯周病治療を行うと、血液中のTNF-α濃度が低下するだけではなく、
血糖値のコントロール状態を示すHbA1c値も改善するという結果が得られています。
歯周病は、自分ではなかなか気づきにくいものです。
3か月に一度は歯科医を受診し、
生活習慣も含め口腔内のケアを受けることを習慣ましょう。

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