口腔外科

歯の外傷について

歯の外傷について

その中でも、歯科で取り扱うことの多いものとして、歯の外傷というものがあります。
お子さんは、スポーツをしている時や遊んでいる時などに、無理な行動をとってしまいがちです。
その際、転倒や衝突により、一時的に歯が傷害されることがあります。

歯の打撲

歯を殴打した時に、歯や歯槽骨に異常がなく、歯根膜や歯肉などに炎症を起こしているだけの状態を歯の打撲と言います。
特別な治療は必要なく、1~2週間ほど安静にしているだけで、自然治癒します。
痛み止めとして、消炎鎮痛薬を服用することがあります。

歯の不完全脱臼

歯が半分抜けかかった状態を指します。
歯根膜の一部が断裂してしまっているので、歯がグラグラと揺れます。
放置しておくと、歯の根っこにある歯髄が断裂してしまうため、ワイヤー等による固定が必要になります。

歯の完全脱臼

歯が歯槽骨から完全に抜けてしまっている状態を指します。
歯根膜も完全に断裂しています。
さらに、歯が完全に抜け落ちてしまうことを「歯の脱落」と言います。

歯の完全脱臼の応急処置について

歯の完全脱臼というのは、幼児期や学童期にはよくある外傷の一つであると言えます。
それだけに、お子さんにこうした外傷が発生した際には、いくつか取るべき行動があります。
いざ歯が完全に脱落してしまった場合、多くの人は、もう元には戻らないだろうと諦めがちです。
しかしながら、脱落した歯を速やかに歯槽骨内に固定すれば、元の状態に戻すことは可能なのです。
そのためにはまず、脱落した歯を持って、一刻も早く歯科クリニックへ行きましょう。
脱落してからの時間が短いほど、再植後の定着率が良いと言えます。
また、脱落した歯を運ぶ際には、汚れないように気を付けましょう。
既に汚れている場合には、水道水などで洗うことが大切です。
そして何より、歯を乾燥から守りましょう。
もしもご自宅に牛乳が常備されていれば、牛乳に浸けた状態で歯科クリニックへ運ぶのがお勧めです。
あるいは、お子さんの口に含んでもらった状態で保管しても良いです。

歯の破折

歯の破折とは、外傷によって歯が折れたり、歯に亀裂が入ったりすることを指します。
歯が折れていれば、すぐに歯の破折だと診断がつくのですが、亀裂の場合は診断がつき辛いという特性があります。
こうした歯の破折については、歯髄が傷害されるケースが多く、その後の治療も症状によって様々です。
ただし、歯冠が大きく欠けてしまっても、レジン等の修復材料を用いれば、外見上元通りに戻すことが可能です。

歯の嵌入

歯の嵌入とは、外傷によって歯が歯槽骨へめり込んでしまった状態を指します。
これは、治療によって元の位置に戻し、固定処置を施すことで治すことができます。
もしも、歯髄が傷害されてしまった場合は、追加の根管治療が必要となってきます。
このように、歯科の口腔外科では、様々な外傷を取扱い、治療を施していきます。