噛み合わせ治療

身体的な問題について

虫歯や歯周病との関係

噛み合わせが悪いと、まず何より歯を磨きにくくなります。
正常な歯列というのは、綺麗な弓型をしており、ブラッシングをする際も特に磨きにくさを感じることはありません。
けれども、叢生のように前歯が前方へ出ていたり、犬歯が上方に転位していたりすると、歯ブラシを隅々まで行き届かせるのが困難となります。
特にお子さんの場合は、時間をかけて丁寧に磨くことが難しいので、次第に磨き残しが蓄積し、歯垢が歯石となって歯周病を誘発する因子となっていきます。
あるいは、虫歯の発生が助長されてしまうかもしれません。
その他、前歯が突出しているケースでは、常時、口が開いた状態であることが多く、口呼吸になりがちです。
口呼吸を続けていると、歯面及び口腔内が乾燥してしまうので、虫歯や歯周病の原因菌が増殖しやすい環境へと移行してしまいます。

咀嚼機能との関係

噛み合わせというのは、良ければ良いほど、ものを噛んだ時に多くの場所で噛み合っていることになります。
理想的なのは、歯列弓に含まれる全ての歯を使って、ものを噛むことです。
けれども、咬み合わせが悪くなると、上下の歯で噛み合っている場所が少なくなってきます。
そうなると、食べ物を効率的に噛み砕くことができませんし、中途半端の大きさのまま飲み込むことになりますので、誤嚥の原因にもなります。
それに加えて、噛み合っている場所が少ないということは、特定の歯だけに咬合圧がかかってしまうため、歯の咬耗や破折の原因にもなってしまうのです。

顎関節症との関係

顎関節が痛んだり、開口障害が生じる顎関節症ですが、その発症原因のひとつに、噛み合わせの悪さがあるのをご存知でしょうか。
顎関節症は多因子性疾患と呼ばれ、複数の原因が影響し合って発症します。
その原因としては、顎骨の異常、噛み合わせの異常、歯ぎしりなどの口腔習癖、精神的なストレスといったものが挙げられます。
この中で、噛み合わせの異常のみで顎関節症が発症することは稀ですが、明らかに主要な原因のひとつになっています。
ですから、噛み合わせを改善することは、顎関節症を予防することにもつながるのです。