小児歯科
小児歯科とは

小児歯科とは子供の虫歯予防、虫歯治療、歯ならびの治療そして歯周病の予防と治療などを行うところです。将来、虫歯の無いきれいな歯並びと、良いかみ合わせになるためには、予防処置を含めた、早い時期からのしっかりしたケアが大切です。お子さまのために、小さな頃からきちんとしたお口のケアを行うことが出来るのは、 お父さま・お母さまやご家族の皆さまなのです。
 当院でのお子さまの患者様の治療の際に一番大事にしていることは 「怖がらせないこと」です。
 将来の歯ならびなどに不安をお持ちの保護者の皆様と共に、乳歯時期からの健康管理のサポートに努めていきたいと考えております。
お母様方へ
お子様の5年後、10年後、20年後の口の中のイメージをして下さい。
 虫歯になったら歯医者に通うという繰り返しでは、いつまでたっても悪いサイクルから抜け出す事が出来ません。
 また、そのような治療を繰り返しているといずれ歯医者嫌いになり、大人になっても歯科恐怖症になってしまうかもしれません。
 当院では、お子様に歯医者に慣れてもらうために様々な工夫をしており、一つ一つの言葉がけにも気をつかっています。
 私達と一緒に大切なお子様の歯を守りましょう。ぜひご協力ください。
お子様が虫歯にならないために
虫歯は細菌の感染によって引き起こされる感染症の一種です。
 無菌状態で育てられた実験動物に、いくらお砂糖の入っている食べ物を与えても虫歯は出来ません。
 赤ちゃんは、無菌的な状態で生まれてきます。生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中を調べて見ると、虫歯菌はひとつもありません。では、どうして虫歯になってしまうのでしょう?
 それは、特に生後19ヶ月036(31)ヶ月の間( window of infectivity と呼ばれています )に、何かの機会に家族の誰か(主に、母親)から、赤ちゃんのお口の中に虫歯菌が感染してしまうからです。犬や猫などのペットからの感染も報告されています。
 どうしたら、感染させずにすむのでしょうか? 残念なことに、現在は、まだ完全なる虫歯のワクチンは開発されていませんので、お母さんや、家族の方のお口の中の虫歯菌の数を減らすことから努力しましょう。母乳を与える時は、まず、手洗いして、乳首の回りを消毒してから、与えると思います。同じように、赤ちゃんと接する時は、良く歯磨きして、お口の中もきれいにしてから接してあげて下さい。当然、口で砕いて柔らかくした物を与えたり、食べ物を冷やすために母親のスプーンでフーフーしたりは、虫歯の観点から見ればやらない方が良いです。
子供の癖について
子供は大人と比べると、様々な癖を持っています。
 それらお口に関する癖を総称して口腔習癖と呼びます。
 この口腔習癖には、利点と欠点の両方が存在しますので、その点を理解して子育てすることは、非常に大切であると言えます。
 特に、口腔習癖というのは、歯並びや顎骨の発育にダイレクトに影響を及ぼしますので、注意して見守る必要があるのです。
咬唇癖について
年齢が上がって指しゃぶりよりがおさまってきても、今度は咬唇癖という口腔習癖が出てくる場合があります。
 これは下唇を咬む癖であり、根本的にはおしゃぶりとあまり変わりません。
 お子さんの中での発生率は数パーセントしかないのですが、指しゃぶりと同様、出っ歯を引き起こす原因となるため、注意が必要です。
 また、咬唇癖の場合は、歯肉や口唇を咬んで傷つけてしまうため、そこから細菌などが侵入して、病気を発症させることもあり得ます。
 ちなみに、咬唇癖もストレスなどを緩和するために行うものと考えられています。
 ですので、お子さんは知らず知らずのうちに唇を咬んでおり、それが常態化していくといった流れです。
 こちらもできれば親御さんがやめさせてあげる必要があります。
指しゃぶりについて
口腔習癖の代名詞とも言えるものに、指しゃぶりがあります。
 指しゃぶりは多くの乳幼児に見られる口腔習癖で、そう珍しいものではありません。
 ですので、1、2歳くらいの指しゃぶりであれば、特に気にする必要はないでしょう。
 しかしながら、4歳や5歳になっても指しゃぶりを続けていると、前歯を中心とした歯列の不正が生じ始めてきます。
 具体的には、前歯が前方へと傾斜して、いわゆる出っ歯の状態へ変化していきます。
 たかだか指しゃぶりで、本当に出っ歯になったりするのかと疑問に思われるかもしれませんが、これは事実です。
 乳児や幼児の顎の骨というのは、まだまだ発達途上であるため、非常に柔らかく出来ています。
 ですから、指しゃぶりによって、常時、前歯が上方へと圧迫されていると、その刺激に応じて、骨の形も変わっていくのです。
 もちろん、指しゃぶりには心を落ち着かせるといった鎮静効果もありますので、1、2歳の子供に対しては無理にやめさせる必要はありません。
舌突出癖について
その他、お子さんの口腔習癖には舌を前方へと突き出す、舌突出癖というものがあります。
 これは本人でなければなかなか気づきにくい口腔習癖と言えるかもしれません。
 また、その原因も幾つか存在するため、そう簡単に矯正できる癖ではありません。
 例えば、この舌突出癖の原因として、舌小帯が短いという症状を挙げることができます。
 舌小帯とは、舌の下に付着している紐のようなものです。
 何かを飲み込む時には、本来、舌は喉の奥の方へと移動します。
 しかしながら、舌小帯が短いと舌を後退させることが難しくなり、結果として前方へ突出させてしまうことがあるのです。
 その他、指しゃぶりと同様の理由から、舌を突出されることで、ストレスを軽減しているお子さんもいらっしゃいます。
 この舌突出癖を放置しておくと、出っ歯やすきっ歯といった歯列不正を招きますので、注意が必要です。
 このように、お子さんのお口の癖には多様性があり、それぞれ原因も異なっています。
 それだけに、対処していくのが難しいのですが、お子さんの発育を考えたら、その都度、真剣に向き合ってあげることが不可欠なのかもしれません。
妊娠期の虫歯リスク
妊婦の方は、子どもに虫歯が発生しないように、出産前から努力する必要があります。
 まず何より大切なのは、母親自身が虫歯を発症しないことです。
 もともと、女性は男性よりも虫歯になる傾向が強いというのは、疫学的にも証明されています。
 とりわけ、妊娠期には虫歯のリスクがさらに増大すると考えれています。
 その理由としては、「つわり」に伴って、口腔内の清掃が十分に行えなくなることや、食生活が変動すること、そして唾液の分泌が減少することなどが挙げられます。
 このように、妊娠期というのは母親自身の虫歯リスクが高まっているため、普段以上に注意することが大切です。
 お子さんが虫歯に感染するかどうかは、お母さんの健康状態にかかっているのです。
 もし仮に、「感染の窓」と呼ばれる時期を乗り切ることができれば、もしかしたらお子さんは一生虫歯に罹らずに済むかもしれないのです。
1歳6か月健診
1歳6か月健診は母子保健法の第1条で定められている健康診査です。
 医師による問診や身体計測などが主な項目ですが、この中に歯科検診も含まれています。
 幼児期の体の発育や心の発育などを調べるものです。
 正常な1歳6か月児には、以下のような特徴が見られます。
- ひとり歩きができる
- 言葉を1~2語話せる
- 指しゃぶりがよく見られる
- 乳歯は12~16本生えている
- 乳歯の前歯は根元まで完成している
- 永久歯である第一大臼歯はまだ完成していない
こうした特徴を1歳6か月健診で調べることで、お子さんの成長や発育が順調であるかどうかを知ることができます。
3歳児健診
3歳児健診は1歳6か月健診の後に行われる健康診断です。
 健診の内容は、1歳6か月健診と同様、医師による問診に始まり、身体計測、それから歯科検診が行われ、フッ素塗布も実施されます。
 3歳児には、以下の特徴が見られます。
- 乳歯列が完成している
- 体重は出生時の4倍程度にまで増加している
- 話文構造が確立される
- 永久歯である第一大臼歯が完成している
- 永久歯である第二大臼歯が作られ始める
哺乳瓶齲蝕とは、幼児期に発症する虫歯のことで、哺乳瓶を吸い方が問題となります。
 具体的には、ミルクやスポーツドリンクなどの糖分の多い飲料を、哺乳瓶を使って長時間、幼児に飲ませることで発症します。
 乳幼児は、夜間に夜泣きなどをして中々寝付いてくれません。
 そんな時、ミルクなどを哺乳瓶で与えてあげると泣き止んだり、寝付いてくれるため、それが習慣化してしまうことがあります。
 就寝時の口腔内というのは、非常に乾燥しており、ただでさえ虫歯が発生しやすい環境にあるにも関わらず、そこに虫歯菌の餌である糖分を加えてしまうため、容易に虫歯を発症してしまうこととなるのです。
 母親としては良かれと思ってしていることでも、結果として、乳幼児の口腔内の健康を害してしまうため、気を付けなければなりません。
 
 






