抜歯を回避して出っ歯をインビザラインで治す方法
「叢生(そうせい)」という言葉をご存じでしょうか。
一般的には、いわゆる歯がガタガタに並んでいる状態のことを指します。歯が並ぶためのスペースが足りず、きれいに整わない状態ですね。
この叢生の中でも、特に多いのが、皆さんがよく言うところの「出っ歯」。
前歯が前方に突出して見える症例です。
当院でインビザライン治療を受ける方は、ガタガタの歯並びの方も多いですが、特に出っ歯の症例が非常に多い印象があります。
そこで今回は、実際の出っ歯の症例を一つご紹介したいと思います。
「歯を抜いて矯正してきてください」と言われたケース
ご相談に来られたのは、芸能事務所を目指している女の子でした。
とてもきれいな方なのですが、「出っ歯が強すぎるから、歯を抜いて矯正してきてほしい」と言われたそうです。
本人としては、
「本当に歯を抜かないといけないんですか?」
という不安があり、当院に相談に来られました。
正面から見ると、そこまで極端な出っ歯には見えません。
ただ、横から見ると、上下の歯がしっかり噛み合っておらず、前歯が前方に出ている状態でした。
一般的には、この状態をしっかり引っ込めようとすると、抜歯が必要という判断になることが多いです。
抜歯せずに改善できた理由
患者さんのご希望は、
「できるだけ歯を抜かずに治したい」
というものでした。
そこで当院では、歯を抜くのではなく、ごくわずかに歯を削る方法を検討しました。
削る量は、約0.2mm。髪の毛1〜2本分ほどの、ほんのわずかな量です。
この処置を前提に、インビザラインでどこまで改善できるかをシミュレーションしたところ、十分に歯を内側へ移動できることが分かりました。
実際の結果としては、前歯が約4.5mmほど内側に下がり、見た目も噛み合わせも大きく改善しました。
髪の毛に例えると、1本分以上しっかり引っ込んだ計算になります。
これは通常であれば、抜歯をしなければ難しい改善量です。
「抜歯しかない」と言われた方へ
「この出っ歯は、もう歯を抜くしかないですね」
そう言われた経験がある方も多いと思います。
もちろん、すべての症例で抜歯を避けられるわけではありません。
ただし、少し歯を削る・歯を後方へ移動させるといった工夫によって、抜歯せずに改善できるケースも確実に存在します。
一見すると抜歯が必要に見える症例でも、治療計画やシミュレーション次第で、結果は大きく変わります。
この患者さんも、治療後はとても喜ばれていました。
「歯を抜かずに、ここまで変わるとは思わなかった」と言っていただけた、印象深い症例のひとつです。
もし「抜歯が必要」と言われて迷っている方がいれば、一度別の視点から相談してみるのも、決して無駄ではないと思います。













