インビザライン治療で本当に大切なこと ― 噛み合わせが人生を変える

インビザライン治療の「失敗」としてよく挙げられる点はいくつかありますが、いちばん大きなポイントは、何と言っても噛み合わせです。

噛み合わせがきちんと整うと、実は歯並びは自然ときれいに並んでいくものです。
ところが、この噛み合わせの調整が十分にできていないケースが、どうしても多いのが現状です。

「歯並びもきれいにして、噛み合わせも治ったらいいな」と思われる方は多いのですが、実はこの順番が逆なんですね。
先に噛み合わせを治し、その上で歯並びを整える。
そうすれば、歯並びは驚くほど自然に整っていきます。

患者さんとお話ししていると、特に40代後半から50代くらいの方で
「もう年齢的に矯正はいいかな」とおっしゃる方が少なくありません。
でも、ここで少し考えてみてほしいんです。

街で見かける、おじいちゃんやおばあちゃんで、背中が大きく曲がっている姿勢の方。
実は、その多くが噛み合わせに問題を抱えています。
噛み合わせが悪いと、首の骨(頸椎)の角度が変わります。
人の頭は約5kgもありますから、その重さを支える角度が変わると、自然と前かがみの姿勢になってしまうんです。

もちろん筋力の低下も影響しますが、姿勢の良い高齢の方をよく見ると、驚くほど噛み合わせが良いケースが多い。
これは偶然ではありません。

海外の論文でも、噛み合わせが良いと血流やリンパの流れが改善され、病気になる確率が10倍から20倍も下がると言われています。
特に「歩行」に関する研究では、その関連性がはっきり示されています。

日本は世界一の長寿国と言われていますが、実は「介護が必要になる期間」は10年から15年と長い。
一方で北欧の国々、たとえばフィンランドでは平均寿命は日本よりやや短いものの、介護期間は日本の約3分の1から4分の1と言われています。
さらに、フィンランドでは約2人に1人が自宅で最期を迎えるのに対し、日本では10人に1人。
つまり、日本では10人中9人が病院で亡くなっているのが現状です。

何が言いたいかというと、噛み合わせを治すことで、そもそも病気になりにくい体をつくれるということです。
心筋梗塞や心臓病、脳梗塞、脳出血、最近ではアルツハイマー病も、噛み合わせと深く関係していると言われています。

年齢を重ねると「もう今さら治さなくてもいい」と考える方が多いのですが、私はむしろ40代・50代の方にこそ取り組んでほしいと思っています。
これから先、まだ40年、50年と人生が続く中で、病気を抱えて過ごすのかどうか。少し想像してみてください。

仮に矯正治療に100万円かかったとしても、その後の人生が40年あるとすれば、年間で考えると2万円ほどです。
その投資で、病気になる確率が何十倍も下がるとしたら、私なら迷わず噛み合わせを治します。

もちろん、若い方やお子さんにも治療はおすすめです。人生が長い分、その恩恵を受ける期間も長いですからね。
ただ、40代・50代・60代の方にも、ぜひ前向きに考えてほしい。

実際、当院で一番ご高齢の患者さんは82歳ですが、治療後は姿勢が良くなり、体を動かしやすくなって「毎日がすごく楽しくなった」とおっしゃっています。
まさに、クオリティ・オブ・ライフ(人生の質)が向上した例です。

矯正というと、「何年もかかって大変そう」と思われがちですが、マウスピース矯正は歯磨きもしやすく、意外と日常生活に馴染みます。
途中で少し大変に感じることはあるかもしれませんが、それ以上に得られるものは大きい。

ぜひ多くの方に噛み合わせを整えていただき、これからの人生を、より楽しく、より健康に謳歌してほしいと思います。

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