乳歯の歯並びがいいと永久歯は歯並びが悪くなる?
当院に来られる患者さんの中で、「小さい頃生えてた乳歯は歯並びが良かったのにその後の永久歯に生え変わったら歯並びが悪くなったかもしれない」、「自分の子供の歯並びが気になる」という声を聞きまして、今回はこちらについて少し解説してみます。
実は乳歯はすきっ歯の方がいい
最初に結論から言ってしまうと、実は一番理想的な乳歯は「すきっ歯」であることなんです。
親御さんからすると、愛するお子さんの歯並びなので気になることだと思いますが、乳歯がすきっ歯であることは非常に良いことなのでご安心ください。
もちろん、乳歯が斜めに生えていたり、あまりにも位置がズレているような歯並びの悪さは永久歯にも悪影響を与える可能性があるので、適切な治療が必要となります。
すきっ歯が与える永久歯への良い影響
それでは、なぜ乳歯のすきっ歯が良いのかをご説明していきます。
乳歯の理想的な歯並びであるすきっ歯の役割は、その後生えてくる永久歯のスペースを確保することにあります。
具体的には、「発育空隙(はついくくうげき)」と呼ばれる隙間のことで、このスペースが乳歯の間にしっかりと確保されている必要があるのです。
というのも、永久歯は乳歯の1.5~2倍ほどの大きさになります。
そのため、乳歯同士のスペースが十分にないと、狭い隙間に永久歯が無理矢理生えることになり、永久歯の歯並びに悪影響を与える可能性があります。
このことが乳歯はすきっ歯である方が良いと言われる要因です。
とはいえ、乳歯がすきっ歯ではなく綺麗な歯並びだとしても成長に応じて顎の大きさも変化するので、永久歯に生え変わってもそのまま綺麗な歯並びの場合もあるので一概に言える訳ではありません。
乳歯の「すきっ歯」と「歯並びが悪い」の違い
ここまでご説明した通り、乳歯に関してはすきっ歯であることが望ましいことですの問題ありません。
一方で、すきっ歯ではなく乳歯自体の歯並びが悪い場合はその後の永久歯の歯並びに影響がある可能性がありますので注意が必要です。
万が一、乳歯の歯並びが悪い場合は永久歯に生え変わる前に行える歯列矯正もありますし、そこまでしなくても家庭で出来るようなことで顎の成長を促し、永久歯に必要なスペースを確保するなど対応方法は様々あります。
特に、歯並びが決まる前の3歳くらいであれば前歯で固いものをかじっているかどうかが大事になってきます。
家庭で出来ることとしては、カレーや煮物などに入れる野菜を大きめに切ってよく噛ませてあげてくださいね。
もしお子さんの乳歯の状態が気になるという場合は、ぜひ一度歯科院にご相談することをおすすめします。