「乳歯の神経を抜きます」と言われたら?
子どもが治療のために、乳歯の神経をとることがあります。
神経を抜く理由は様々で、虫歯が原因の場合のほか、転んで歯が折れてしまい、その治療のために神経を抜くということもあります。
さて、乳歯の神経を取った場合、「次に生えてくる永久歯に問題はないのか?」「永久歯の神経はどうなってしまうのか?」みなさんはご存知でしょうか?
大人が、永久歯の神経を抜く時と違うのは、神経を抜いた歯がいずれ抜けて、永久歯が生えてくるということです。
神経の無い乳歯が、次の永久歯に悪影響を及ぼすのではと心配になってしまう方も、いらっしゃるかもしれません。
結論を言ってしまえば、乳歯の神経を抜いても永久歯には問題は起きません。
なぜかと言うと、乳歯の神経と永久歯の神経は別のもので、乳歯の神経と永久歯の神経は繋がっていないからです。
「ふーん、なるほどね。でもちょっと待って。乳歯が虫歯だと生え変わった永久歯も虫歯だったり、虫歯になり易かったりするって聞いたことがあるけど。これってやっぱり神経とか関係あるんじゃないの?」と思った方、いらっしゃいますか?
先ほどの乳歯の神経を抜くのは、歯の問題でした。
ところが、虫歯の乳歯が抜けると後から生えてくる永久歯も抜けやすいというのは、歯ではなく口の中の環境の問題なのです。
乳歯に虫歯があるということは、口の中には虫歯の菌がいるということです。
口の中に虫歯の菌がいる状態であれば、当然、抜けた歯の後に生えてきた永久歯も、乳歯が虫歯ではなかった永久歯も虫歯になりやすい環境にいるということになります。
「乳歯の虫歯が、あとから生えてくる永久歯にうつる」ということはありません。
ということなので、乳歯の神経を抜くことに対して、過度に心配したり、怖がったりする必要はありませんので、安心してくださいね。
ただし、虫歯が原因で神経を抜いた場合は、口の中に虫歯菌がいるということであり、その虫歯菌によって後から同じ場所に生える永久歯はもちろん、口の中の歯は全て虫歯になる可能性があるということを覚えていていただきたいと思います。
虫歯で乳歯の神経を抜くことよりも、口の中が虫歯菌でいっぱいのままのところに永久歯が生えてくることのほうがよほど恐ろしいと思われた方、どうぞご自身とご家族の口内環境のケアを怠らないように、お気を付けくださいね。