予防の大切さ~その1~
A:『歯医者に行くのは歯が痛くなったとき、歯科クリニックは治療をするところ』
B:『歯医者は、歯の治療をしなくて済むように定期的に行くところ。三カ月に一度は行っている』
あなたの考えに近いのは、AとBのどちらでしょうか?
「かっこいいし、Bおほうがきちんとしていそうだけど、本音はA」という方が多いのではと思います。
事実、日本人の場合、「忙しくて定期的な歯科通いは無理、痛くなったら行く」という考えの人が98%を占めているのです。
ところが、世界的に見ると、子どもからお年寄りまで年齢を問わず、9割以上の人が定期的に歯科クリニックに通う国があります。
フィンランドやスウェーデンといった、北欧の国々です。
別のコラムにも書きましたが、これらの国々もかつてはいまの日本と同じように歯を削る、抜くといった歯科治療をしてきました。
国が先頭に立って財源も使って変えていったからこそ、80歳で自分の歯を25本保っていられるようになったのです。
今回は歯のケアに対していくらぐらいお金を使うのかという点から、予防歯科について考えてみたいと思います。
結論から言ってしまうと、日本人の男性は、一年間で平均6000円位を歯のケアに使っています。
アメリカの男性はどうでしょう?
36000円と、日本男性の6倍もお金をかけているのです。
ご存知のとおり、日本は国民皆保険という考えのもと、ほぼ全ての国民は何らかの健康保険制度に加入しているので、病院の窓口で医療費を全額支払うということは滅多に(交通事故は10割負担です)ありません。
アメリカはこの健康保険制度が無いため、歯に限らず、治療となると、高額の費用がかかります。
さらに、肥満なども含め体調管理が出来ていない人は尊敬されにくいという、事実もあります。
そのためか、どんなにお酒を飲んで帰宅しても歯磨きだけはするという人も、とても多いでのだそうです。
また虫歯になりやすいことや歯並びが悪いことから、八重歯も嫌われます。
「八重歯がかわいい」という感覚をもっているのは、日本人ぐらいかもしれません。
アメリカのニュースなどを見ていても、低所得者層の人には肥満が多いなあと感じます。
歯のケアもしています。という人も少なそう。
太りにくい食材は値段が高く、ファーストフードやジャンクフードのほうが低価格で手に入りやすいので、どうしてもそういうものを買ってしまうのでしょうね。当然ながら、ジャンクフードは太りやすいですし、栄養面も期待できません。
虫歯が無くても76%の男性が歯医者に行くアメリカ人。
25%の人が一度も虫歯になったことがないのだそうです。
かたや日本人は、虫歯になったことのない人は、僅かに4.5%。
虫歯で痛い思いをし、削られたり神経を抜かれたり、場合によっては歯を抜かれてしまったりと、部分的か歯1本そのものかはともかく、自分の歯を徐々に失っていくのです。
そこにあるときは、たいしてありがたみを感じない歯ですが、いざ失ってみると自分にとってどれほど大切だったかが、よく分かります。
決して、たかが歯などではありません。
自分の歯、天然の歯がどれほど大切なのかについては、また別の機会にお話ししたいと思います。