口腔ケアで感染症予防
フィンランドでは一般的に1~2週間に1回のペースで口腔ケアをしているのですが日本ではそこまで頻繁に行われてません。
私が15年ほど前のフィンランドへ行っていた時に学んだことなのですが、口腔ケアを定期的に行うことで、日本人にも馴染みのある虫歯や歯周病と言った、これらの原因となる病原菌を減らすことが出来るのです。
それでだけではなく、最近では口腔ケアによってさまざまな感染症予防にも繋がることが分かってきています。
感染症の代表例としては、インフルエンザやノロウイルス、従来のコロナウイルスといったものがあります。
口腔ケアによってこれらの感染症に感染するリスクを10分の1〜20分の1にできると言われているほどです。
ただし、現在蔓延している新型コロナウイルスに関してはまだデータがないのでなんとも言えませんが、今後データの蓄積や研究が進むと効果があるかどうかが分かるかもしれませんね。
また、最近の新型コロナウイルスの影響もあってか、患者さんの中には歯科院に行くこと自体が感染症のリスクだとお考えになる方もいらっしゃるようです。
しかし、実際のところ歯科院に行かないことで10~20倍も感染症のリスクを高めてしまうことを考えれば、歯科院で口腔ケアを行う方がいいと考えます。
歯科院というのは、元から菌に対する衛生意識が非常に高い環境であり、患者さんが触れるもの、歯科衛生士が触れるもののほぼ全てに対して消毒を行っています。
そのため基本的に消毒や除菌を徹底している歯科院で感染することは、まずないと考えて良いでしょう。
それどころか、歯科院に行かずに放置してしまうことの方がよっぽど感染リスクを高めることになるというのは覚えておいて欲しいです。
そういうこともあり、当院としては定期的な口腔ケアを行うことをおすすめしています。
口腔ケアでは、ばい菌のバリア(バイオフィルム)をしっかりと取ることが出来るため、これによって虫歯や歯周病をはじめとした口腔内の病気を抑えられることに繋がります。
ちなみに、このバイオフィルムというのは市販の歯ブラシでこすっただけでは取ることが出来ません。
歯科院にあるような、機械的な装置や除菌用のシロップで剥がすことが出来るのです。
ぜひ、最近口腔ケアが行えてないなと思った方は一度ご検討されてみてはいかがでしょうか?