出産回数と残存永久歯
「出産回数が多い人は赤ちゃんに栄養をとられるから、歯が抜けている人が多い」なんて話を聞いたことはありますか?
胎児に栄養をとられて歯が抜けるということはありません。
ただ、妊娠中はつわりで歯磨きそのものが辛かったり、ホルモンの影響で免疫力が下がって口の中の環境も悪くなり、
口内細菌には好条件である、ということはあります。
国立がん研究センターが4月16日に公表した「出産回数と歯の健康の関連について」の研究成果によると・・・、、
出産回数を0回、1回、2回、3回、4回以上の5グループに分け、
残存永久歯数と、奥歯のうち上下で噛み合っている永久歯のペア数(n-FTU)を調べた結果、
出産回数が多い女性ほど残存歯数が少なく、n-FTUも少ない傾向が明らかになったということです。
同センターでは上記結果の理由の一つとして、
1.妊娠中の女性が歯科治療を避ける傾向にあること、
2.歯科医師も妊娠中よりも出産後の治療を勧めがちであることを挙げています。
でも、妊娠中の歯の治療が胎児に悪影響を及ぼすという科学的根拠はなく、
妊娠中に歯の治療や予防を含めた管理を適切に行うことは安全で効果的であり、
正しい知識を伝えることが必要だと結んでいます。
妊娠中は、身体の状態が変わるため何かと大変だと思いますが、お口の中のケアもどうぞ大切に。
話は少し変わりますが、フィンランドでは、マイナス1歳、
つまりお母さんのお腹にいるときから、虫歯の予防をします。
生まれてくる前にお母さんの口の中を除菌して、母子感染を防ぐのです。
妊娠中の女性の方へ、除菌治療を受けて、
生涯、わが子に虫歯の無い人生をプレゼントしてみませんか?