動物だって、歯がいのち
随分前に、『芸能人は歯がいのち』というCMがありましたよね。
歯がいのちなのは、芸能人に限らず、人間ならば誰にでも当てはまることです。
勿論、動物にも同じことがいえると思います。
野性動物は、肉食であれ、草食であれ、食べられらなくなったら(点滴で栄養をとれるわけではないので)
命が続かないわけですから。
食べる以外の目的で、歯が重要な役割を果たしている動物がいます。
『バルビサ』という、インドネシアのスラウェシ島とその周辺の島にのみ生息するイノシシ科の珍獣も
そんな動物のうちの一種です。
バルビサのオスの犬歯は、上下二対が湾曲して鼻の肉を貫き突き出しています。
(親不知が生えるときだって痛いのに、鼻の肉を貫く犬歯!相当な痛さでしょうね。)
突き出た牙(犬歯)は弧を描いて目の前に来ます。
その牙は生涯伸び続けるので、歳を経た雄の中には牙の先端が脳に刺さってしまうものもいるのだとか。
(脳に牙が刺さったら、命が危ない気がします・・・。)
なぜ、バルビサの牙は、そんなに痛そうで危険な方向に伸びるのでしょうか?
バルビサのオスは、突き出た牙が大きいほうがメスにモテるのだそうです。
進化の過程で子孫を残すために大きな牙を得て、その牙のために自らの命を危険にさらす・・・。
何ともやるせない気持ちになりますが、そういう動物もいるのですね。