ワシントン条約と象牙

象牙で作った印鑑や三味線のバチ、彫刻を施した装飾品など、
皆さんも一度は目にされたことがあるのではと、思います。
象牙の印鑑を持っているという方も少なくないかもしれません。
日本で象牙を加工してこれらの製品をを作る産業は、江戸時代から
400年ほど続いています。
そしてまさに今。
その産業の継続が出来るかどうかの国際会議が、9月24日から
南アフリカのヨハネスブルクで開かれているのです。

ワシントン条約により、象牙の国際取引は1990年から禁止されているのですが、
今回の会議で、国内取引も禁止しようという決議案が採択される可能性が
あるのだそうです。

象牙欲しさに密猟されてしまう象は後を絶ちませんし、高値で取引される
ためテロ組織が象牙を資金源にしているという指摘もあり、
象牙の取引需要そのものを無くしてしまおうという考えもあるようです。

日本国内の象牙は、1990年の国際取引禁止前に輸入されたものが流通しており、
例えば1本の象牙を印鑑用に切り出したら、その印鑑用象牙1本1本をどこに
販売したのかまで、届け出るように法律で決まっているのだそうです。

象の密猟は許せないことですが、象牙に関わる仕事をしている人たちは、
国内取引を禁止する決議案が可決したら困るだろうなぁとも思います。

人間の装飾品である前に、アフリカ象たちにとって、牙は生きていくために
なくてはならないものです。
咀嚼にこそ使いませんが、鼻(正確には上唇が伸びたものだとか)と牙で木の枝を
運んだり、闘う武器にもなります。

ニュースの映像で、ケニアのツァボ国立公園の象の亡骸を見ました。
死んでから数日は経っているであろうその象は、銃で撃たれ象牙を取られ、横たわっていました。

悲しい姿でした。

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