見えないところがとても大切 ~歯の根の治療のお話

みなさん歯の根の治療をしたことがありますか?
細い針のようなもので、歯を”ちゅるちゅる”とつつかれた経験がある方も多いかもしれませんが、あれが「歯の根の治療」です。
根の治療は、歯の根に膿がたまってしまった場合や、歯の神経が細菌に感染してしまった場合などに行う治療ですが、この根の部分は治療しても半分位は10年以内に再発してしまうという大変難しい治療です。
歯の根の治療の専門医でも4割程度はやはり再発をしてしまうようです。
ですので、歯の根の病気になってしまった場合はできるだけ正確に治療をする必要があります。
根の治療にまつわるお話で、こんなものがあります。
アメリカのハリウッドでは根の治療は50万円くらいかかるそうです。
それだけ、根の治療は本来難しい治療なのですが日本では保険が適用となる為、だいたい5000円ほどの費用で治療が出来ます。
(この差なんと100倍!)
難しい治療だけに、さらに丁寧に、より正確な治療するために先日神奈川歯科大学の石井教授の歯の根の治療のセミナーに参加してきました。
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石井教授は日本で有名な「根の治療」のパイオニアです!
歯の根の治療は家に例えると基礎工事とも言える非常に重要な治療な治療です。家の基礎は上に家が建ってしまうと、表から見ることは出来ません。
しかし、ひとたび大きな地震が起こってしまえば、基礎工事がしっかり行われていない家は傾いたり、倒壊してしまったりするでしょう。
歯の根の治療は、これと似ています。
根の治療は手を抜いて治療をしても、すぐに不具合は出ません。
数年後に膿んでしまったり、痛みが出たりと時間がたたないとわからないものなのです。
いくら良いかぶせ物をかぶせても、根っこの部分がしっかりしていなければ結局は良い治療とはいえないのです。
「見えないところこそ大切に丁寧に治療する」先日の根のセミナーに参加して改めてそのことを強く感じました。

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