正しい歯医者さんの選び方

歯の治療をするとき、治療の必要性を感じたときと言い換えたほうが
しっくりくるかもしれませんが、どのような基準で歯医者さんを
選んでいるでしょうか?

1.家や職場の近くであること?
2.上手だと聞いたクリニックで?
3.痛くない治療を売りにしている歯医者さん?
4.患者の話をよく聞いてくれること?
5.患者が大勢来ていること?

残念ながら、どれも、正解とは言い難いのです。

なぜでしょうか?

例えば、虫歯の治療に行ったとしましょう。

レントゲンを撮って虫歯のある歯を確認し、歯を削って詰め物を入れる。
麻酔をするから、削っている時は痛くありません。
詰めたら、虫歯の痛みからは解放されるので、もう治ったと思うでしょう?

ところが、詰め物には寿命があります。

保険適用のレジンを充填した場合、詰め物は3~5年しか持ちません。
治療した歯がまた虫歯になると、1回目よりも更に削って穴を詰めます。
3年後にまた虫歯ができ、2回目よりも更に削って穴を詰め・・・。
もうお分かりですね?
削っては詰めを繰り返すうちに、歯そのものが無くなってしまうのです。
だいたい、5~6回削る治療をすれば、その歯はあなたの口から永久に
消えてしまいます。
いかに、歯を削る回数を少なくするかが、歯を残すためには重要なのです。

また、痛みがないことを売りにするのなら、乱暴な言い方をするなら、神経を
抜いてしまえば、痛みは感じなくなりますが、その代わり、歯が割れやすく
なります。

患者さんからすれば、歯科医に話をじっくり聞いてもらえれば安心しますよね。
確かに大事なことです。
でも、話を聞くのは上手でも治療は上手くないということもあります。

では、患者さんが多いところが上手な歯医者さんだとも限りません。
よく言われることですが、「良いものと売れるものは別」。歯医者さんでも
同じで、患者が集まるのは宣伝が上手なだけで治療は下手かもしれません。
反対に、腕はとてもいいのに、宣伝が下手で患者さんが少ないという
クリニックもあるでしょう。

つまり、その歯医者さんの技術を見極めること出来るのは、数年後であり、
治療中には無理という事です。

結局のところ、上手な歯医者さんを選ぶのは無理なのねと思われたかもしれません。
少なくとも、その歯医者さんの治療方針が明確で、それをきちんと伝えてくれる
歯科医を選びましょう。
そのうえで、自分のニーズに合っていれば、とりあえずの満足度はあがります。
例えば、すぐに詰めてほしいのに、細菌の検査をして、次に除菌をして、結果が出たら
歯の治療を始めるのでは、なかなか詰めてもらえないため、患者さんは納得しないでしょう。

でも、よく考えていただきたいのです。
歯は削れば削るほど、なくなってしまいます。

口の中の問題、つまり虫歯や歯周病の原因を究明して、それらの菌を無くしてから治療を
始めれば、歯を削る事を減らせます。
削らなければ削らないほど、あなたの歯は残ります。

歯を削って詰めるという治療を歯医者が率先して行うのは、削れば儲かるからです。
除菌をして極力削らない治療は利益が薄いのです。

でも、患者さんのためには極力削らないほうが良い。

歯医者さんの治療方針をよく聞き、自分の望むことに近いのか、かけ離れているのか
それを基準に歯医者さんを選ぶというのが、良い方法と言えるのではないでしょうか?

永久歯は一度失ったら二度と生えてきません。
そして、自分の歯に勝る入れ歯など、無いのです。

IMG_7922

一般歯科 記事一覧に戻る