虫歯治療で歯の素材を選ぶ

昨年ヒットしたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』をご覧になった
方も多かったのではと思います。私はテレビをあまり見ないので、
人から聞いた話ですが、ヒロインの森山みくりが、虫歯の治療を
することになり、考えあぐねた結果、保険外のセラミックを選ぶ
というシーンがあったそうです。

ドラマの中に虫歯治療の料金表が出てきたと聞きましたが、虫歯
治療の補綴(ほてつ)には、値段に大きく差があります。

保険のきくものと、保険外で全額自己負担のものとがありますが、
自己負担のものでも種類はいくつもあります。
そのお話をする前に『補綴(ほてつ)』とは何かを、簡単に説明
したいと思います。

補綴(ほてつ)とは

虫歯が見つかると、悪くなった個所を取り除き、削った部分を
補います。いわゆる詰め物をするわけです。『補綴』とは、失った
個所や機能をおぎなうことを言います。

虫歯の治療をして、何かを詰めても、歯は虫歯になる前の状態に
戻るわけではありません。
なぜかと言うと、歯には自然治癒力が無いからです。
削って詰め物をした歯は、天然の歯(自分自身の歯)と同じ機能を
持つことはできないので、時間の経過とともに劣化していったり、
治療したところの隙間から虫歯の菌が入り、詰め物の内側に虫歯が
できてしまうこともあるのです。
また、昔治療した歯はセメントが溶けだして、隙間を作りやすくなって
います。

補綴治療個所を良好な状態に保つには、患者さん本人による歯の
ケアに加えて、歯科医院で定期的にケアをすることが重要です。

補綴のメリットデメリット

では、いよいよ補綴の材料によるメリットデメリットを見ていきましょう。

レジン…保険適用なので安価。変色しやすく汚れも付きやすい。

ゴールド…天然の歯と同様の固さと収縮により、他の歯を傷つけず、
金蔵アレルギーの心配がない。デメリットは色が目立つこと。

ハイブリットセラミックス…自然な白さで、固すぎず他の歯を傷つけない。
オールサラミックより安価。デメリットは、セラミックスより透明感が
少なく長期的には変色が起こり、汚れが付着しやすく、欠けることもあること。

オールジルコニア…透明感のある歯を再現でき、歯茎の変色がない。
また、強度も強く耐久性がある。デメリットは、固いため対合歯を痛める
危険性があることと、自然な白さを再現しづらいこと

オールセラミック…透明感のある歯を再現でき、前歯にも奥歯にも使える。
歯も歯ぐきも変色する心配がない。金属アレルギーがある患者さんでも使える。
デメリットは、費用が高く、メタルボンドと比べると割れやすいこと。

メタルボンド…金属で土台を作りセラミックで表面を覆っているので、耐久性が
高く、汚れの付着や変色も少ない。ブリッジなどの治療にも使える。
デメリットは、金属アレルギーの患者さんは使えないこと、歯茎が黒ずむことが
あり、オールセラミックより透明感が落ちること。

セラミックラミネートベニヤ…歯の表面を少し削って、そこにセラミックで
できた付け爪のようなものを貼り付けるので、治療期間が短いこと、歯の色の
後戻りが少ないことがメリット。
デメリットは、健康な歯を少し削る必要があることと、割れやすいため力の
かかる部位には使えず、歯の形は変えられても歯の方向は殆ど変えられないこと。

電鋳メタルボンド…純金箔を内側に使用し、周りをセラミックで覆っているので、
耐久性、審美性、生体親和性にすぐれ、オールセラミックよりも耐久性がある。
ただし、オールセラックよりやや透明感が落ちるのが難点。

ジルコニアオールセラミックス…スペースシャトルの外壁に使われる素材なので、
耐久性と強度が優れており、歯ぐきの変色の心配がない。コンピュータで歯を解析し、
三次元的に形成するので、精度が高い。
デメリットは、最新治療ゆえの費用の高さと、固いために対合歯を痛める可能性が
あること

いかがでしょうか?
一言で補綴と言っても、種類も様々。メリットがデメリットの裏返し的な部分もある
うえ、費用も数万円~十数万円と高額で、いざ治療するとなったら決めるのが難しい
かもしれませんね。

どんな補綴物にも必ずデメリットがあります。値段が高い上に、自分の歯(天然の歯)に
勝るものはありません。

「虫歯になったら治療すればいいや」ではなく、自分の歯を大切に守る事が一番大事
なのではないでしょうか。

ドラマの逃げ恥で言っていた内容らしい

参照

本日2016年11月1日火曜日22:00~のTBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の通称逃げ恥第4話で、森山みくりちゃんこと新垣結衣ちゃんが虫歯の治療をするシーンがありましたね!

その中では歯医者さんからもらってきた歯の治療の料金表があって、複数の種類の治療法と値段が載っていました。私も同じような紙をもらったことがあるのですごく見覚えがありました。(笑)

保険外治療の費用相場とジルコニアセラミック

ドラマの中で出てきた歯の保険外治療の料金表にもあったように、ジルコニアセラミックの歯が15万円、セラミックが10万円ほどとなっていました。

実際の費用相場は本当にこのくらいの値段なんですけど、私も治療を受けたJDFではセラミックもジルコニアセラミックも1本5万円です。

奥歯が虫歯になったときって、保険が効いて値段が安い銀歯にすることが多いと思います。でも奥歯といっても見える位置の場合は銀歯にしたくないですよね。

逃げ恥のユリちゃんも言ってましたが、セラミック一択だと私も思います。

歯の素材によって違う

相場料金ではセラミックの費用は10万円以上、ジルコニアセラミックなら15万円以上ですが、他にもいくつか種類があります。

セラミックはオールセラミックと呼ばれることもある保険が適用されない美しい素材のもので、前歯などに使われます。

ジルコニアセラミックはより強度の高いセラミックで、今まで奥歯にセラミックを使うと割れてしまうというようなことが言われていましたが、ジルコニアセラミックが出てきたことによって奥歯も白くてキレイな差し歯にすることができるようになりました。

ハイブリッドというのは強化プラスチックのようなもので、セラミックとプラスチックを混ぜたものです。

ハイブリッドセラミックは5万円ほどとなっていますが、すぐに劣化して変色してくるのでちゃんとしたセラミックにしておくべきです。

せっかく高いお金を支払うんですから、歯の素材は本当に妥協しない方がいいと思います。

私は保険治療で済ませて後悔しました

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