末期がん患者の97%が経験している根管治療
末期がん患者の97%が共通して経験していることは何でしょう?
コラムのタイトルにもあるので、おわかりかとも思いますが、それは「歯科の根管治療」です。
虫歯や歯周病などが進行して、歯髄を取る(神経を取るという言い方をすることもあります)治療を行うことです。
この歯髄を取る治療はどんな名医が行っても側枝(器具が届かない枝分かれした細い根の部分)という小さな管の部分までは、治療をすることができません。とても細かくて見えないからです。
そして、この見えない部分で、毒性の高い嫌気性菌が増殖し、条件が整えば増殖した菌は血流へと侵入して、全身で様々な深刻な症状を引き起こすというわけです。
1900年頃には、関節炎による車いす生活を余儀なくされていた女性がいました。
病気の本当の原因は、根管治療の処置ではないかと考えたアメリカの歯科医Price博士は、その女性の問題の歯を抜いたのです。
彼女は、直ぐに関節炎の症状が治まり、杖がなくても歩けるようになったそうです。
このことからも、根管治療は嫌気性菌を増殖させていろいろな症状を引き起こしていることがおわかりいただけるかと思います。
根管治療をしても、免疫機能が保たれていれば感染した菌から放出された最近はやがて死滅します。
しかし、事故や病気健康状態の変化により免疫機能が低下した場合は、周辺組織から感染が広がり血流に侵入して、さらに身体の別のところでも感染を拡大させます。
末期がん患者の97%に根幹処置があったと報告しているのは、40年の治療経験を持つドイツの外科医です。
虫歯も歯周病も無いことが一番です。
そうすれば、根管治療をする必要はありませんから。
ただ、虫歯も歯周病もないように気をつけて生活してきても、交通事故で歯が折れてしまって根管治療をしなければならなくなる、というケースはあります。
冒頭に、「根管治療はどんな名医が行っても側枝まで治療することは難しい」というようなことを書きました。
日本では、根管治療を医療保険を使って受けることができます。
しかも、かなり安い金額なのです。
反面、根管治療はとても重要な治療であると、ここまでコラムをお読みくださった皆さんはお解りいただいていることでしょう。
保険適用の治療では、数(患者さんの人数)をこなさなくてなりません。
保険診療は、上手な先生でも、歯科医になりたてのほやほやの新米君でも、保険点数は同じです。
重要とはわかっていても、保険点数の低い(儲からない)根管治療を「丁寧に時間をかけずに済ませてしまう歯科医師がいないとも限らない」と、私は思います。
私も、必要な患者さんには、根管治療をします。
大事な治療です、嫌気性菌が全身に悪影響を及ぼす可能性があることも充分に理解しています。
ですが、他にも患者さんが来ているため、「もう少し時間をかけて根管治療をしてあげたかったな」と思うことは、正直言ってあります。
最近は、根管治療を保険ではなく自由診療で行う歯科医院も出てきました。
自由診療であれば、1本の根管治療にゆっくり時間をかけられます。
保険点数より、高額の料金設定なので、丁寧に患者さんに接することもできます。
アメリカは、歯科は自由診療なので、上手な先生は根管治療1本30万円とか90万円とか、そんな料金設定にしているようですが、一日に数人治療すれば充分儲かるので、歯医者さんは疲れないし、患者さんにもとても丁寧な治療ができるようです。
繰り返しになりますが、
虫歯や歯周病は無いのが一番です。
歯の治療は後回しにするほど、根管治療の可能性も増えます。
根管治療は、慢性疾患の元凶と言っても過言ではないのですから。