なぜ歯医者は削るのか
虫歯になって歯医者で治療をした際に
思ったより多く削られていると思ったことはありませんか?
これは予防拡大といって、
むし歯だけ削っても歯には菌がしみ込んでいるので取り切れないため
予防のために拡大して大きく削るという考え方です。
一般的には虫歯よりも3~4倍は歯を削られると言われています。
治療を受けてみて自分のむし歯はこんなに大きかったかなと疑問に思ったことはありませんか?
それは日本の歯医者が大学で教わるアメリカから120年ほど前に入って来た概念です。
わたしが行ったフィンランドではMI(Minimal Intervention)という概念があります。
これは最小限に削るという意味です。
当院では初めに顕微鏡で検査をし細菌を徹底的に除去します。
そうすることによって菌の感染を無くしてむし歯だけを取ることができます。
経験がある方もいると思いますが、歯を削っているときにしみる感覚があるのは健康な部分を削っているからなのです。
むし歯の部分は神経が死んでいるので削っても痛くありません。
通常のむし歯治療を繰り返した際には5回から6回削るとなくなると言われています。
例えばがんになると、がんの周りの健康な組織もとります。
なぜなら転移するからです。
胃がんになったら胃を全摘出するケースもありますが、胃がなくなるのは大変ですから最小限に抑えたいものです。
最近ではお医者さんの世界でも遺伝子検査などの最新治療でがんになる前に細胞を除去する方法があります。
そうすると実際にがんになった際、小さくとるだけで済みます。
ハリウッドではアンジェリーナジョリーさんもこの方法をとっていますよね。
最小限に削る治療の概念をもって、顕微鏡で菌を減らすこと。
そして虫歯の再発を極力少なくすることができるだけ歯の寿命を長くする方法です。